南部町長 工藤祐直

 明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、健やかに新春をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。昨年は、新型コロナウイルス感染症の沈静化に伴い、社会経済活動の正常化が進む一方、新たな問題として浮上した燃料費や物価の高騰に対応するため、町独自の様々な取り組みを行ってまいりました。その取り組みの一環として、住民税非課税世帯には1世帯あたり3万円の給付、対象とならない世帯には1人あたり5千円分の商品券を交付、さらに65歳以上の高齢者の方々に5千円分の商品券を交付したほか、5割増しのプレミアムがついた「特別プレミアム商品券」の販売を行いました。商工業や農畜産業などの町内で事業を営む方々に向けては、1事業者あたり最大30万円の支援金給付を行うなど、あらゆる分野において、全町民に支援が行き届くような施策を展開してまいりました。また、昨年4月には、保護者や教職員、地域の皆さまなど多くの方々のご理解とご協力をいただき、小中学校をそれぞれ3校ずつに統合し、無事に新たな教育体制での船出を迎えることができました。子どもたちが新しい環境のなかで、実りある楽しい学校生活を送ることができるよう、全小中学校の普通教室にエアコンを設置したところであり、夏の猛暑においても、集中して勉学に励むことができたのではないかと思います。これからも、町民の皆さまが行政に何を求めているのか、状況を的確に把握しながら、スピード感を持って適切な対策をしっかりと講じてまいります。町の基幹産業である農業分野では、雇用労働力の減少対策として今年度から取り組みを始めた「スマート農業加速化支援事業」により、自動操舵トラクターや田植え機などの導入を支援したほか、デビューから6年目を迎えるサクランボ「ジュノハート」や洋梨「ゼネラル・レクラーク」「南部達者米」などのブランド力のさらなる向上。また、町特産の豊富な果物を活用した加工品の開発など、「果樹の里・南部町」の魅力を最大限に活かす取り組みを進めてまいります。町の最重要課題である人口減少対策では、昨年は高校生までの医療費無料化の所得制限撤廃や、高校生がいる世帯への5万円の給付を新たに実施し、0歳から社会人に至るまで切れ目のない子育て支援を拡充したところであり、本年はこれに加えて、新たな支援策を検討しております。また、チェリータウン桜場に続く、新たな格安分譲団地の整備に着手し、子育て世代の若い方が安心して住み続けられるまちづくりを進めてまいります。このほかの事業として、旧南部分庁舎を活用し、南部藩発祥の地としての歴史的財産を展示収蔵する施設を整備することとしており、令和8年度末のオープンに向けて改修工事に着手いたします。当町は昨年、「住み続けたい街ランキング」で2年連続の県内第3位、「街に誇りがあるランキング」で県内第2位の評価をいただきました。さらなるランクアップを目指し、充実した子育て支援をはじめとする町独自の人口減少対策を継続していくことにより、誰もが住んで良かったと思えるまちづくりに邁進してまいります。結びに、皆さんのご健勝とご多幸をご祈念申し上げますとともに、皆さまが安心して住み続けられる南部町の実現のため、想いを新たにし、年頭のごあいさつといたします。