狂犬病とは

狂犬病は、狂犬病にかかった犬や猫またはコウモリ、キツネなどの野生動物にかまれ、だ液中のウイルスによって感染する人獣共通の感染症です。

感染した場合の症状

犬の場合

 潜伏期間は普通20日~60日、平均1カ月前後です。発病すると神経過敏、狂暴になり、みさかいもなく噛みつくようになります。このため口の中をケガして血の混じった泡やだ液を出します。また、鳴き声も異常で、眼は大きく見開かれます。

人間の場合

 潜伏期間は平均1カ月~2カ月、時に1年以上になることもあります。発熱、頭痛、倦怠感など、カゼの症状にはじまり、錯乱、幻覚、だ液や水分が飲み込めなくなる恐水発作などのマヒやけいれんを生じ、最終的にはほぼ100%死亡という恐ろしい病気です。

なぜ、毎年、犬の狂犬病の予防注射をするのか

狂犬病が発生していない国は、日本以外ではオーストラリア、イギリスなどわずか十数カ国しかありません。その他の狂犬病が発生している国から毎年1万頭以上もの感染の恐れのある動物が輸入されています。

しかし、動物検疫所で狂犬病の検査を受けて国内に入ってくるのは、犬、猫、キツネ、アライグマ、スカンクの5種類だけです。その他の動物や密輸入された動物により、いつ国内で狂犬病が発生するかわかりません。そのためにも狂犬病の予防注射をきちんと受けることが大切です。