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南部七踊りの特徴
南部甚句
- 読み方
なんぶ じんく - 踊りの解説
南部手踊りの基本とされる踊りで、素手のみで踊ります。 - 唄の解説
この地方の「南部あいや節」が宮城県塩釜に伝えられ「塩釜甚句」となり、それが逆移入されたため「塩釜甚句」と呼んでいました。その後「八戸甚句」と呼ばれるようになり、昭和30年代に入ってから「南部甚句」として定着しました。
南部あいや節
- 読み方
なんぶ あいやぶし - 踊りの解説
手拭いを使って踊ります。七踊りの中では一番テンポが速く、威勢のよい踊りです。 - 唄の解説
九州の「平戸はいや」または島根県あたりの「はいや節」が北上し、南部に来て「南部あいや節」になりました。
南部よされ節
- 読み方
なんぶ よされぶし - 踊りの解説
座敷踊りから発生したため女踊りが多く、素手で品良く踊ります。 - 唄の解説
よされの語源については、“やませ”の影響で凶作に苦しんだ人々が「いやな世は早く去れ」と念じたのがはじまりとされ、「黒石よされ」や「南部よしゃれ」と同系です。
南部馬方三下り
- 読み方
なんぶ うまかた さんさがり - 踊りの解説
わらじを履いて、馬の手網を意味する長い紐を肩にかけ笠を使って踊ります。馬方とは駄馬に荷物を積んで運ぶ人のことをいいます。 - 唄の解説
信州の「小諸馬子唄」から派生した「道中馬方節」に三下り調の三味線伴奏がついて、この地に流れついたといわれます。
南部追分
- 読み方
なんぶ おいわけ - 踊りの解説
素手だけの踊りと、手拭いを持った踊りの2種類あります。 - 唄の解説
発生は北国街道と中仙道の間の追分宿で飯盛り女たちが唄ったものがはじまりとされています。全国でも珍しい三味線伴奏の追分節です。
南部荷方節
- 読み方
なんぶ にかたぶし - 踊りの解説
番傘をたくみに使って踊ります。剣吉地区は昔、馬淵川をさかのぼった商港として栄え、船着き場は雑穀や木材等物資の集散地としてにぎわいました。傘を手に持ち踊る姿から往時がしのばれます。 - 唄の解説
もともとは新潟節と呼ばれていました。新潟から海を北上し、やがて馬淵川を往来する船頭衆により伝えられたといいます。
南部都々逸
- 読み方
なんぶ どどいつ - 踊りの解説
もともとほおかぶりをして素手で踊られていましたが、それを舘松榮源次郎氏が独特な「カツラ」「番傘」「二段返し(引き抜き)」の工夫をし、今の踊りに創作しました。 - 唄の解説
天保時代に江戸の都々逸坊扇歌が「潮来節」「よしこの節」を作詞改曲して唄ったのがはじまりで、それが流れてこの地に入ったといわれます。